
桑名宿のしおり 第2回 多度大社
桑名駅から養老鉄道線に乗り、大垣方面に向かうと15分ほどで多度駅につくこと
ができます。往時を偲ぶ古い家並の街道を20分ほど行くと多度山に抱かれるよう
に、1500年以上北伊勢地方の総氏神として信仰をあつめてきた多度大社の鳥居
がみえてまいります。
5世紀後半、雄略天皇の御代に御社殿が建てられるまでは、多度山全体を神体とし
て仰いでおりました。美しく整えられた参道は、お山に向かいゆるい勾配で鬱蒼と
茂る大木の向こうに、清らかな水しぶきをあげる一筋の滝が流れ、その前に御本殿
が鎮座しております。都でみる華やかな社殿とは趣を異にした質実なそのお姿は神
がまさにそこにおわす、山こそが神そのものと感じさせ、心に染みわたる感動を与
えてくださいます。
御祭神が天照大御神のお子様であることから伊勢神宮にたいして北伊勢大神宮とも
よばれており、古くからお伊勢参らばお多度もかけよ。お多度かけねば片参りと謡
われ、伊勢参宮の折りには、必ず多度大社にも参拝したといわれております。
桑名は伊勢神宮と多度大社の中間に位置します。是非古来からの言い伝えどおり両
方のお宮を参ってみてはいかがでしょう。古代からのさわやかな風を感じられる事
と思います。